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根管治療(意図的再植含む)

歯の内部にある神経や血管が通る空間を「根管」と呼びます。
虫歯の進行や外傷などで、この根管内の組織が感染したり炎症を起こしたりすると、強い痛みや腫れ、歯の寿命が短くなる原因となります。
根管治療は、この根管内の感染源を徹底的に除去し、再感染を防ぐために根管内を清掃・消毒・密封する処置です。
根管治療により、歯を保存し、快適な咀嚼や健康的な口腔環境を取り戻すことが可能になります。

根管治療(意図的再植含む)

根管治療がなぜ重要なのか

歯は一度大きく損傷すると、自然治癒で修復できる範囲は限られています。
根管内の感染を放置すれば、歯を失うリスクが高まり、インプラントやブリッジなどより大掛かりな治療が必要になることもあります。
早期に根管治療を受けることで、歯の寿命を延ばし、長く自分の歯で噛む喜びを味わうことができます。

痛みを最小限に抑える工夫

根管治療は「痛そう」というイメージがありますが、実際には局所麻酔の技術進歩や治療機材の改良により、痛みや不快感を大幅に軽減できるようになっています。
適切な手順によって、患者様が感じる苦痛を最小限に抑えます。

根管治療がなぜ重要なのか

当院での根管治療の特徴

正確な診断と綿密な計画

根管治療では、歯の内部構造を正確に把握し、感染源を徹底的に除去することが求められます。
当院では、確かな診断力と治療計画を重視し、各種精密機器を活用することで、成功率と快適性を高めています。必要に応じてCT撮影をして根管周囲の状態を確認します。

エンドモーターで均一な処置

自動制御による安定した作業

従来、根管内の清掃は主に手作業で行われていましたが、エンドモーターを使用することで、一定の速度やトルク(回転力)でファイルを回転させることが可能となります。
これにより、手作業では出しづらい均一性と安定性が確保でき、歯科医師が感覚に頼らず精密な処置を行えるのが大きなメリットです。

ファイル破損や過度な削り過ぎを防ぐ

エンドモーターが自動で回転数やトルクを管理するため、ファイルの破損リスクが減り、根管内でファイルが詰まるなどのトラブルを回避しやすくなります。
また、必要以上に根管壁を削り過ぎることを防ぎ、歯の強度を保ちながら感染源除去を行えます。

アペックスロケーターによる正確な根管長測定

根管内部の長さをミリ単位で把握

アペックスロケーターは、根管内の電気的抵抗を測定し、ファイルが根管の先端(根尖)までどれほど近づいているかを示します。
この計測によって、根管内部を適切な範囲で処理し、必要以上に根管を拡大したり、逆に不十分な範囲で止めて再感染を招くことを防ぎます。

再感染リスクや痛みを軽減

正確な長さ計測により、消毒や充填を適切な深さで行えるため、根尖周囲組織への刺激が減り、術後の痛みや炎症を抑えられます。
また、再感染リスクも低下し、長期的な治療成功率が向上します。

デンタルダムで清潔な治療環境

唾液や雑菌の進入を防止

デンタルダム(ラバーダム)は、治療対象の歯のみを露出させ、その他の部分をゴムシートで覆う方法です。
これにより、唾液や口腔内の細菌が根管内に入り込むのを防ぎ、清潔な環境で治療を進めることができます。

治療成功率を高める

唾液に含まれる菌が根管内に侵入すると再感染の原因となり、治療効果が半減します。
デンタルダムの使用は、再感染リスクを大幅に低減し、根管治療の長期的な成功へとつながります。

超音波スケーラーで効率的な清掃

細部まで届く振動エネルギー

超音波スケーラーは、先端が超音波振動することで、固着した汚れや細菌を効果的に除去します。
手動による清掃では取り除きにくい根管内部の細かな凹凸や分岐部にも振動が行き届き、細部まで清潔にできます。

時間短縮と成功率向上

効率的な除菌・除去が可能になることで、治療時間が短縮され、患者様の負担も軽くなります。
また、清掃精度が上がることで、残存細菌による再感染リスクを軽減し、治療成功率が高まります。

根管充填と長期的な安定性

感染源を除去した後、根管内を密閉する「根管充填材料」を用いて細菌の再侵入を防ぎます。
適切な根管充填は、長期的な歯の安定性を確保する重要なステップです。

根管充填のプロセス

根管内を清掃・消毒した後、ガッターパーチャ(ゴム状の材料)やシーラーなどを使って隙間なく詰めます。
これにより根管内は気密状態となり、細菌が入り込めない環境が整います。

精密な適合性がポイント

わずかな隙間があると、細菌が侵入し再感染の原因となります。
当院では、機材を駆使して根管内の形状や長さを正確に把握し、適合性の高い充填を実現します。

成功率とメンテナンス

根管充填後も、定期的なチェックとクリーニングで健康状態を維持することが大切です。
問題があれば早期に対応し、長期間良好な状態を保つことが可能です。

根管充填と長期的な安定性

意図的再植という選択肢

通常、根管治療は歯を抜かずに行いますが、根管内部が複雑な場合やアクセスが難しいケースでは、意図的再植という手法が考えられます。
これは、一度歯を抜いて根管処置を行い、再び元の位置に戻す方法です。

意図的再植の流れ

1

対象の歯を慎重に抜歯します。

2

抜いた歯を外で根管治療することで、口腔内では行いづらい細部の処置が可能になります。

3

処置が済んだら、歯を元の歯槽骨内に戻し、定着を待ちます。

周囲組織への配慮

再植する際には、周囲組織(骨や歯肉)にダメージを与えないよう注意が必要です。
可能な限り短時間で処置を行い、歯の細胞を生存させることで、再定着の成功率を高めます。

治療後のケアとメンテナンス

根管治療後や意図的再植後も、定期的なメンテナンスが必要です。
歯周環境や噛み合わせの変化を早期に察知し、必要な対処を行うことで、処置した歯を長く保持できます。

定期検診で状態確認

歯科医師による定期的なチェックで、再感染や炎症がないか、噛み合わせが正常かを確認します。
早期発見がトラブル防止のカギとなります。

ホームケアの徹底

ブラッシングやフロス、歯間ブラシなどを正しく使い、再感染を防ぐ環境を整えます。
衛生士によるケア指導で、適切なクリーニング方法を習得できます。

必要な場合のリカバリー

もし再感染や不具合があっても、早期に対応すれば再治療や微調整で状況を改善できます。

治療後のケアとメンテナンス

他の治療との組み合わせ

根管治療が終わった歯は、補綴(かぶせ物や詰め物)で補強することが多いです。
また、状況に応じて矯正治療やインプラントなど、他の手法と組み合わせて総合的な口腔環境を改善することも可能です。

補綴治療で機能回復

根管治療後、歯の強度が低下した場合、クラウンなどで保護し、噛む力に耐えられる状態を回復します。
再感染や破折を防ぎ、長持ちさせられます。

総合的な口腔管理

一部の歯を治療するだけでなく、全体の調和を重視することで、長期的な安定や美しさ、機能性を確保できます。
複数の分野で専門知識を持つ医療チームと連携することで、より高い満足度を得られます。

他の治療との組み合わせ

歯を残すための最後の治療が根管治療です

根管治療や意図的再植は、歯を失う可能性を大幅に減らし、自然な歯をできる限り残すための有効な手段です。
当院では、エンドモーター、アペックスロケーター、超音波スケーラー、デンタルダムなどを駆使し、精密かつ丁寧な処置を行います。
正確な診断と計画、痛みや不安への配慮、術後のフォローアップを通じて、長期的な口腔健康を実現します。迷いや不安があれば遠慮なく相談し、納得できるまで説明を致します。
治療後は定期的なメンテナンスやホームケアで結果を維持し、より良い食生活と快適な日々を手に入れることができます。何度も根管治療をくり返いしている場合や、難治性の場合には専門医と連携して治療を行います。

歯を残すための最後の治療が根管治療です